「クレンザー」または「クレンジング」というと、日本ではメイク落としというイメージが強くないでしょうか?
洗顔とクレンジングの違いという記事もよく見かけますし、ダブル洗顔が一般的な日本では「クレンジング」をした後「洗顔フォーム」でしっかり洗顔するという人が多いかと思います。
また、色々ある洗顔料の中でも、毛穴汚れを濃密な泡で洗い落とす「泡洗顔」ができるモノがポピュラーですよね。
日本で同じみの泡立つ「洗顔フォーム」と「メイク落とし」を探そうと、海外のスーパーに行くと、目につくのはプッシュパンプタイプのボトルやチューブに入った「Cleanser」や「Foam Cleanser」という物ばかり。
使用用途を確認するために、裏面の使用方法を確認すると「皮脂やメイクを落とす」との表記があり、これは洗顔フォームなのか?それともメイク落としなのか…?と困惑したことはないでしょうか?
今回は、そんな「海外製洗顔料」についてわかりやすく説明します。
Contents
洗顔フォームってどれ?メイク落としは何?
A.「Cleanser」=「メイク落とし」=「洗顔フォーム」
一応、コスメ・スキンケア専門サイトやショップなんかでは、厳密に言うと洗顔フォーム = Face Washでクレンザー = Cleanser として違いがあるそうなのですが、様々な商品名とその使用用途を見る限りはごっちゃになっていて、ほとんど違いは無いと言っていいです。
とりあえず「顔の”汚れ”を落とす」ものは全て Cleanser。
大手ファッション雑誌のサイトなんかでも Face Wash として Cleanser が堂々と紹介されていますし、その他のコスメ紹介サイトなんかでも同じ。
日本でも一般的にメイク落としとして使われている、クリームやバームタイプ、そしてオイルなどはメイクを落とせますが、ジェルタイプやフォームタイプなどはメイクが落とせる物と落とせない物があるので、都度確認した方がベター。
Cleanserでウォータープルーフのアイメイクは落ちるのか
A. 製品による。
ジェルタイプやフォームタイプはたとえ用途にメイク落としと表記されていても落ちにくく、基本この二つは洗浄力が強い物なので製品によっては目の周りにつけてはいけないものも有り。
経験上クリームやバーム、オイルタイプ(当たり前ですが)のクレンザーは丁寧にくるくるしてると落ちてくれる傾向にありますが、敏感肌には Eye Makeup Remover をアイメイクや落ちにくい口紅を落とすのに使い、顔全体にはクリームやバームを使用することを皮膚科医はオススメしています。
クレンザーの種類
Cleanser/Cleansing と呼ばれている洗顔料の種類:
- ジェル
- フォーム
- クリーム
- クレイ
- オイル
- 固形石鹸(Bar)
- パウダー
- シート
- バーム
フォーム/Foam
特徴:
- 大抵チューブに入ったクリームか、ジェルタイプ(Foaming Gel:見た目は上のジェルだけど、泡だてて使う)
- 掌で泡だてて使う
- 余分な皮脂の除去
この製品に合うスキンタイプ:
- 混合肌
- オイリー肌
Pros:
- 日本人には使い慣れたタイプ
- 製品にはきめの細かい泡が作れるものもある
- 毛穴詰まり改善に良い
- ニキビ肌改善に良い
Cons:
- 泡立てるのが面倒
- 日本の泡洗顔のような、きめ細かくへたれにくいもっちりした泡とは違い、きめが粗くへたれやすい泡が多い
クリーム/Cream
特徴
- 大抵プッシュパンプタイプのボトルかチューブに入っているクリーム
- クレンジングミルクと呼ばれる物もある
- クリームタイプよりライトなテクスチャ
- 使用法と効能はクリームとほぼ同じ
- 保湿成分が含まれている
この製品に合うスキンタイプ
- 敏感肌
- 乾燥肌
- 年齢を重ねた肌
Pros
- 保湿効果があり、肌に優しい
- メイクと馴染み易く落としやすい
- 皮脂を取り除きすぎることなくメイクや汚れを落とせる
- 泡だてなくていいのが楽
Cons
- 水で洗い落とすタイプは乳化させないとちゃんと落ちない。肌に残ったクレンザーがニキビ等の原因になる
- 乳化作業が面倒
クレイ/Clay
特徴
- 泥/Clayを配合したクレンザー。大抵チューブか瓶に入っている
- 手にクレンザーを出し、水を加えてムースにしたものを濡らしておいた顔に乗せて円を描く様に優しく洗顔。洗顔後は水で流す。
- 使用は一日に一回
- 泥パックと同じ原理で、クレイに皮脂や汚れを吸着させて肌を綺麗にする
- 製品によってはメイクが落とせるのもあるが、大抵はメイクをしていない肌前提
この製品に合うスキンタイプ
- 混合肌、オイリー肌に特に有効
- 保湿成分があるので乾燥肌も可
Pros
- 毛穴のつまりを改善する効果
Cons
- 洗浄力が強めなので、敏感肌にはあまり適さない
マイセラーウォーター/Micellar Water
特徴
- 肌に優しい調合
- 見た目は水
- コットンパッドにマイセラーウォーターを浸して肌を優しく拭うだけでメイク落とし完了
この製品に合うスキンタイプ
- 敏感肌
- 混合肌
- Biodermaには敏感でオイリー肌用のも有り
Pros
- 拭くだけなので楽
- 拭き取り化粧水としては肌に優しい
- 化粧水にもなるものもあり
- 硬水の地域に住んでる場合:硬水を顔につける機会を減らせる
- 肌に合わなかった場合、キッチン等の油汚れ落としとして使える
Cons
- ブランドによっては敏感肌に合わないものもある
- Ex. 目の周りがヒリヒリする;洗い流さないので、肌に残ったクレンジング剤が肌荒れの原因になるetc.
- オイリー肌にとっては洗浄力が弱い場合がある
- オイルやフォーミング、またはクリームクレンザーに比べると、摩擦が生じるためより肌に負担がかかる
オイル/Oil
特徴
- 乾いた肌に乗せて汚れとなじませる
- メイクが落ちやすい
- ダブル洗顔が必要
この製品に合うスキンタイプ
- 全てのスキンタイプ
- 敏感肌には洗浄力が強すぎる場合もある
Pros
- オイルなのでメイクと馴染みやすく落ちやすい
Cons
- 多くがダブル洗顔必要
- 敏感肌には洗浄力が強すぎる場合もある
固形石鹸/Bar
特徴
- 植物性・動物性の天然由来の油と強アルカリからできている
- 強アルカリを含むので刺激が強い
- 最近ではSOAP-FREE/NON-SOAPと呼ばれる、肌と同じ弱酸性の肌に優しい洗顔用固形石けんがある
この製品に合うスキンタイプ
- 弱酸性の固形石けんであれば、全ての肌タイプに◎
Pros
- 環境に優しい
- pHバランスが調整されている製品は肌にも優しい
- 泡が立ちやすい
Cons
- pHバランスが調整されていない製品は、肌に必要な皮脂も取り除いてしまう
パウダー/Powder
特徴
- パウダーに少しづつ水を加え、泡を立てて使用
- 通常のリキッドタイプのクレンザーと比べて保存料が少ない
- 酵素や粉末状のミネラルが入っていることが多いので、肌に優しいピーリングにもなる
この製品に合うスキンタイプ
- 全てのスキンタイプ
- 敏感肌には洗浄力が強い場合があるので注意
Pros
- 粉末なので海外旅行に適している/TSA friendly
- 水の量を調節して好きなテクスチャにできる
- 水分が含まれるクレンザーより保存期間が長い
- ピーリングジェルなどと比べると肌に優しい
Cons
- 人によっては粉が散って扱いづらいと感じる人もいる
- 敏感肌には合わない場合もある
バーム/Balm
特徴
- 固形オイルタイプのクレンザー
- 体温で温めるとサラサラのオイルになる
- 肌に優しい
- 保湿効果有り
- 濡れた暖かい布でぬぐい落とす
この製品に合うスキンタイプ
- 乾燥肌
- 敏感肌
Pros
- メイクと馴染みやすく落としやすい
- 保湿効果の為に、きちんとクレンザーを落とさなくても良いとする製品がある
Cons
- 肌にクレンザーが残りやすい
- 落としきれないクレンザーが肌荒れの原因になることがある
- 拭き取る際に布で肌が擦れる
シート/Wipes
特徴
- クレンジング剤が染み込んだシート
- 拭くだけでメイクが落とせる
この製品に合うスキンタイプ
- 全てのスキンタイプ
Pros
- 簡単にメイクが落とせる。楽
- 最近では化粧水も兼用できるものもある
Cons
- クレンジング剤が肌に残ったままになるので、肌荒れの原因になる場合がある
- ウォータープルーフのアイメイクなどが落ちにくい
- 拭き取る際にシートで肌が擦れる
敏感肌に良いクレンザーは?
一般的に、敏感肌にはクリームやバーム、コールドクリームなどが良いとされています。
最近ではBIODERMAのマイセラーウォーターが世界的大ヒット隣、敏感肌に良いとされていますね。
ただ、これらの肌に優しいとされているクレンジング剤を使用する上で注意が。
上記のほとんどはクレンジング剤を拭き取るだけだったり、化粧水がわり・保湿替わりにそのまま肌に残すのを使用法としています。
ですが、コールドクリームやバームをきちんと落とさず肌に残したままにしておくと、ほぼ全ての人間の顔に生息している小さなダニ(通常顔ダニやニキビダニなどと呼ばれる)が異常に繁殖してしまうケースが多々あることから、クレンジング剤を拭き取るだけでなく「洗い落とす」のを勧めている皮膚科医もいます。
クレンジングの肌への刺激グループざっくり分け
強め | 弱め |
拭き取りシート 固形石鹸 ジェル オイル クレイ パウダー | バーム クリーム マイセラーウォーター |
Avoid eye area と Avoid contact with eyes の違い
パッケージ裏の使用法または注意書きに「avoid eye area」というのと、「avoid contact with eyes」と言うのを目にしたことがありませんか?どちらも「目につけないで」と警告しているのですが、厳密には二つは違う意味になります。
avoid eye area:
目の周りは避けてくださいと注意を促すもの。
ジェルやピーリング用の酵素が含まれているクレンザーなど、洗浄力が強い製品の使用法によく見られます。
クレンザーだけでなく、クレイパックなども目の周りには塗らない様にとこの注意書きがあります。
avoid contact with eyes:
目に入らない様に注意。
クリームやバームなど刺激が弱めのクレンザーの使用法に記載されていることが多いです。
目の周りにも使えるけれども、目には入らない様に注意を促すもの。
最後に
上でも一般的にどのクレンザーが肌への刺激が強く、どれが弱いのかざっくりと分けましたが、ブランドなどによってはジェルでも肌への負担が少ないもの(Ex. ラロッシュポゼ)や、クリームなのに個人によっては刺激を感じる物もちろんあります。
なのでこちらはあくまでも一つの参考として、海外製の洗顔料・メイク落としの購入の際に役に立てていただければ嬉しいです。
Sources
Allen, Maya. “Dermatologists Explain How to Properly Use Powder Cleanser.” Byrdie. Byrdie, June 10, 2019. https://www.byrdie.com/how-to-use-powder-cleanser.
Austin, Ashley. “Here’s Why You Need to Go Soap-Free This Winter.” Sensitive Skin Care Solutions Recommended By Dermatologists. Sebamed, February 6, 2020. https://www.sebamedusa.com/blog/heres-why-you-need-to-go-soap-free-this-winter/.
Dr Dray. “PONDS COLD CREAM FRAGRANCE FREE MAKEUP REMOVER REVIEW| DR DRAY.” YouTube video, 9:20. November 5, 2019. https://youtu.be/yQphfo8JkWI
InstaNaturalTeam. “Everything You Need to Know About Cleansing Balms.” InstaNatural. InstaNatural, June 17, 2019. https://instanatural.com/blogs/news/everything-you-need-to-know-about-cleansing-balms.
Somerville, Kate. “Gel Cleanser vs. Foaming Face Wash.” Kate Somerville Skin Care. Kate Somerville Skincare United States, January 16, 2020. https://www.katesomerville.com/blog/gel-vs-foaming-face-wash.
“What Cleanser Is Suitable for My Skin Type?: Paula’s Choice.” PAULA’S CHOICE SKINCARE. PAULA’S CHOICE. Accessed May 12, 2020. https://www.paulaschoice-eu.com/which-cleanser-is-right-for-my-skintype.
りさ, 小野. “敏感肌向けクレンジングおすすめ15選|優しくしっかり落とせるランキング2019.” e-Cosme, Excite Japan Co., Ltd., 12 Feb. 2020, e-cosme.excite.co.jp/article/sensitiveskin-cleansing.
“お肌に必要な成分.” BIODERMA. NAOS JAPAN株式会社. Accessed May 12, 2020.
https://www.bioderma.jp/skin/skin_component.html#skin_nav_01.