昨今のレチノイドブームのおかげでプチプラからハイエンドまで、色んなブランドがレチノイド配合化粧品を出してますよね。
ここまで沢山あるとどれを選んだらいいか分からなくなるレベル。
私は大抵英語圏の皮膚科医さん達が発信している情報をもとに基礎化粧品を選ぶのですが、今のところNZの皮膚科医が発信元のものを見つけきれてません。大体アメリカ。一番距離的にもマーケット的にも近いのだと、お隣オーストラリアの皮膚科医さん。
国が違えば薬事法も違うし店頭で買える製品も違うってことで、彼らがおすすめしている製品は、一部NZでも手に入るのですが、大抵個人輸入しなければ入手不可。
個人輸入してもいいけど大体高い!
なので今回は、
- お手軽にNZ国内のお店で手に入る
- 成分やパッケージングに関するファクトベースで、効果がありそうなもの
以上を基本としてピックアップしたレチノイド配合化粧品をグループ分けしてみました。
Contents
前提
以下の基準を元に製品を選ぶ。
1)NZ国内に実店舗があるお店
- MECCA
- Sephora
- Life Pharmacy
- The Chemist warehouse
- Farmers
以上いずれかのお店で手に入るもの
2)レチノイドの性質を考慮して選ぶ
- 成分は攻めのビタミンA=純粋レチノールかretinaldehyde
- パッケージングは光や空気に弱いレチノールに考慮されたもの
- またはレチノイドを安定させるフォーミュラを使用しているもの
- 今時どこも対策はしてるかもしれないけれど、念の為明記されてる物を選ぶ
3)臨床データが豊富で、効果が確約されている成分のもの
- 植物性レチノールと言われているものは除外する
4)NZD$100以下
- なるべく$50前後のもの
- 結局$100以上出すなら、皮膚科医がおすすめしてて尚且つレチノイド配合濃度の高い製品を個人輸入した方がいいので
レチノイドについて詳しく知りたい方はこちらの動画がわかりやすくておすすめです。
レチノールの濃度が公開されている化粧品
NEOSTRATA Skin Active Matrix Support Day Cream
$84.99(50g)@ Life Pharmacy
大手Johnson&Johnsonのブランドなので、レチノールを扱う技術は確かだと思われます。
NeoStrataはLa Roche Posayと同じく皮膚科医が起こしたブランドですが、比較的お求めやすい価格帯のLa Roche Posayと比べると値段は高め。
Chemist Warehouseだと大体$20ほど安いみたいです。
- Life Pharmacy
- Chemist Warehouse
L’Oreal Revitalift Laser Pure Retinol Night Serum
$49.99(30ml)@ Farmers
Fact Sheet:
- Pure Retinol 0.2%
- レチノールを安定化させるために生み出したロレアル独自技術 RETINOL GUARD を使用
流石は研究費も今までの研究データも潤沢にあるであろうロレアル。
レチノールはきっちり安定化させる技術を使っているし、その旨もしっかり明記してるところが信頼できます。
- New World
- PAK n’ SAVE
- Countdown
- Chemist Warehouse
- The Warehouse
- Farmers
The Ordinary Retinol 0.2 – 1% in Squalane
$11.50 – $14.50(30ml)@ Farmers
Fact Sheet:
Retinol in Squalane
- レチノール配合。濃度は 0.2、 0.5、 1% の3種類
- 水、植物性オイル、シリコーン、アルコールフリー
- 水や植物性オイルはレチノールの安定性や効果を損なわせるため無配合
- 高安定
物価が高いNZでわずか$10台で手に入るプチプラコスメ。
今のところ、配合されているレチノイドの濃度がラベルにも明記されているのはThe Ordinaryのみ。
ただ、高安定とは謳っていますが、何を持ってしてそう言っているのかが明記されていません。
Granactive retinoidの方はカプセル化(encapsulated)されたレチノールが含まれているとはっきり書かれているのと打って変わり、Retinol in squalaneの方は何も説明なし。
レチノールを不安定にさせる水は入ってないよ!って言っているくらい。Granactive retinoidのemulsionの方はピンポイントにどうやってレチノールを安定化させているか書かれているのに、なんで敢えてピュアレチノールの方には書いてないのかが謎。
プチプラなので試しやすいではありますね。
- Farmers
- Life Pharmacy
Frank Body Rewind Retinol Serum
$31.00(30ml)@ Mecca
Fact Sheet:
- レチノール1%配合
- ビタミンB3配合
- レチノールの安定のためにカプセル化されたレチノールを配合
- パラベン、サルフェート、クルーエリティ(cruelty)フリー
- ヴィーガン
オーストラリア発ブランド、Frank Bodyのレチノール入りセラム。
ヴィーガン製品だと書かれているけれど、成分表を見る限りは植物性レチノールと言われるBakuchiolを使っている訳ではなく、純粋レチノールが含まれているよう。
今回の記事で紹介する製品の中で唯一のcruelty-free製品がFrank Bodyのものなので、動物実験を気にする方には良いかも。
- Mecca
レチノールの濃度表記無し
Neutrogena Rapid Wrinkle Repair Regenerating Cream
$51.99(48g)@ Farmers
Fact Sheet:
- Johnson & Johnson独自技術で安定化させたレチノールSA (SA=Sustained Action) を配合
- Accerelated Retinol SA配合
- Retinol SAにヒアルロン酸、グルコース、ギンバイカ葉エキスをブレンドしたもの
Rapid Wrinkle Repair Regenerating Anti-Wrinkle Retinol Cream + Hyaluronic Acid | Neugrogena参照
25年前にアメリカで初めてレチノールの安定化を完成させた Johnson & Johnson のブランド Neutrogena のレチノール配合化粧品。
Johnson&Johnsonは豊富な臨床データと、レチノールの安定性を向上させつつその効能と肌への優しさを改善する新しい方法に関する20の特許を保持。
ヒアルロン酸、グルコース、ギンバイカ葉エキスをブレンドしたAccerelated Retinol SAもそのうちのひとつ。
これらエモリエントをブレンドすることによって、レチノールの肌への作用を緩やかにすることが可能というのがJohnson & Johnsonの説明です。
このRapid Wrinkle Repairには他にもオイルやセラム、モイスチャライザーなんかがあるのですが、NZで入手可能なものはレチノールの濃度表記がありません。ですが、確認したところ同ライン全てにAccelerated Retinol SAが入ってました。
このRegenerating Creamは昼夜どちらでも使える保湿化粧品ですが、昼用・夜用と分かれたモイスチャライザーも同ラインで販売されています。
- New World
- PAK n’ SAVE
- Countdown
- Chemist Warehouse
- The Warehouse
- Farmers
Olay Regenerist Retinol 24 Night Moisturiser
$59.99(50g)@ New World
Fact Sheet:
- レチノール配合
- オイルブレンドのマイクロドロップでレチノールを包み安定化
- Retinyl propionate配合
- ナイアシンアミド配合
- 無香料
Olay’s New Retinol Collection Makes The Luxe Ingredient *Way* More Affordable参照
NeutrogenaやL’Orealと違い、Olayは公式ウェブサイトではなく、オンラインマガジンのインタビューでOlayのPrincipal ScientistであるDr. Frauke NeuserがRetinol 24の特徴や秘密(どうやってレチノールを安定化させているのかなど)を公開してました。
嬉しい点は、Retinol 24も同ラインでセラムやアイクリームを販売しているのですが、Dr. Neuser曰く同ラインの製品でどれか一つを使えば良いということ。でももし同時使いしたいなら、セラム+アイクリームやモイスチャライザー+アイクリームの使い方でも全然OKとのこと。
また、レチノールをナイアシンアミドとretinyl propionateでブレンドすることによってお肌により優しい処方にしてるらしいです。
- New World
- PAK n’ SAVE
- Countdown
- Chemist Warehouse
- The Warehouse
- Farmers
La Roche Posay Redermic R
$64.99(30ml)@ Life Pharmacy
Fact Sheet:
- レチノール配合
- 光と空気をシャットアウトするためにアルミチューブを採用
- 敏感肌にも優しい
- パラベンフリー
- オイルフリー
- non-comedogenic
- アレルギーテスト済み
- 皮膚科医のテスト済み
敏感肌用ブランドのラロッシュポゼが出しているレチノール製品Redermic R。
アンチエイジングクリーム以外に、アイクリームも有り。
友利新先生がご自身のYouTubeで愛用製品として紹介していたのがこちらの製品。先生はネッククリームとして使っているらしいです。
- Chemist Wharehouse
- Life Phamacy
Retinaldehyde配合製品
Physiolift Night Balm & Eye Cream
$59.99(30ml&15ml)@ Life Pharmacy
Fact Sheet:
Physiolift Night Balm
- retinaldehyde配合
- エアレスボトル
- ノンコメドジェニック
- パラベン、ミネラルオイルフリー
- ヴィーガン
- 30ml
- $59.99 @ Life Pharmacy
PhysioLift Night Smoothing Balm | Avene参照
Physiolift Eyes
- retinaldehyde配合
- エアレスボトル
- ノンコメドジェニック
- パラベン、ミネラルオイルフリー
- ヴィーガン
- 15ml
- $59.99 @ Life Pharmacy
今のところNZでretinaldehydeが含まれている製品はこの二つのみのよう。
Physioliftのラインにはこの二つ以外にもあるのですが、成分表を見たところ、他の製品には同じラインと言ってもretinaldehydeは配合されていませんでした。
わざわざアイクリームがあるので、Night balmって目の周りNGだったかな?と思い、手持ちの製品説明書を読んでみましたが、特にそんなことはなく…
Night balmはレチノイド反応が(少なくとも私は)出るので、もしかしたら目の周りにNight Balm付けれない敏感肌さん用なのかな?と推測。
アイクリームの方のKey Inredientsを見ても、retinaldehydeが一番最初に来ていないのを見る限り、Night Balmよりも濃度が低いであろうことが分かります。
Night balmは目の周りOKな製品ですが、レチノイド反応が酷いなど肌トラブルが出る場合は目の周りの使用を避けて、アイクリームを使ったら良いかもしれません。
- Chemist Warehouse
- Life Pharmacy
The Ordinary Granactive Retinoidについて
プチプラコスメのThe Ordinaryが出しているもう一つのレチノールライン。
The Ordinary Granactive Retinoidの製品紹介ページをまとめると、Granactive Retinoidは以下のよう:
- Granactive Retinoid(Hydroxypinacolone Retinoate)配合。濃度は2%と5%
- 攻めのビタミンAの欠点(光に対しての不安定さ、レチノイド反応)を無くした新しいレチノイド
- 通常レチノイドが肌に作用するために必要な変換要らず(上記Dr. Sum Buntingの動画内5:35からgranactive retinoidについての説明があります)
- Granactive retinoid emulsionにはカプセル化した純粋レチノール配合でさらにGranactive retinoidの効果をサポート
皮膚科医の見解:
少なくともYouTubeでGranactive Retinoidについて意見を述べている皮膚科医の動画(Dr. Sum Bunting, Dr. Dray, & Dr. Davin Lim)を見ると、まだ発見されて間もない新しい成分のため、データが乏しいというのが共通意見なようです。
ですが慎重派で保守的なDr. Dray以外はThe OrdinaryのGranactive Retinoidをおすすめしており、この新しい成分をポジティブに見ています。
また、クチコミでは割と良い意見が多く見受けられました。
Granactive retinoidを発表したエスティーローダの製品よりも大分安価なので、気軽に新しい成分を試せる製品かなと思います。
- Farmers
- Life Pharmacy
レチノイド製品の選び方
シアトルにある皮膚科クリニック「Modern Dermatology」のウェブサイトによると、レチノールの効果がきちんと出るには、濃度が最低でも0.25%必要で、濃度表記がないものはレチノールの濃度が0.25%よりも低いと考えていいそう。
なので、ドクターからするとやっぱり濃度がきちんと表示されているものを使うのがおすすめなんですって。(そりゃそうだ)
ただ、今回NZで輸入せずに手に入るレチノール製品でネット上でチェックできる物(見落としてなければ)ほぼ全て、成分表からその他宣伝から事細かく見てみた結果、気になったことが一つ。
それは、確かな技術と製品をすでに持っている大手化粧品会社が、0.2%以上の濃度の製品を全く出してないこと。
AveneやL’Oreal、Neutrogenaなど、アメリカやオーストラリアなんかではレチノールが0.2%以上含まれている製品を販売しているにも関わらず、NZでは出していない…
ってことはNZの薬事法では販売できないんじゃないかなと思いました。
レチノールの濃度が0.25%のものは、医療で使われているトレチノイン酸0.025%と同じ効果があるという事なので、そうするとレチノール0.25%の化粧品は医薬品と同じ。
コモンセンスで考えると、薬と同じ効果が出る化粧品は販売できなさそう。
一応、今回レチノールを安定化させていると言っている製品をまとめましたが、0.2%以上の濃度があることを謳っている製品が本当にその濃度を保ち続けることができるのか、私の中で疑問に残る事に。
また、製品名ではレチノールと銘打っていながらも、成分表を見るとパルミチン酸レチノールしか入っていなかったりする物もままあり、しかもそれが$100越えなんてことも。ブランド税怖い。
Dr. Davin LimやDr. Drayが言っていることですが、本当化粧品は高ければ良いってもんじゃない事を改めて実感。
買う前に成分表をよくチェックしないと、自分が求めている成分じゃないものに無駄に高額な料金を払うことになるなと震えました。
まとめ
レチノール濃度が明記されている製品
- Neostrata Skin Active Matrix Support Day Cream 0.1%
- L’Oreal Revitalift Laser Pure Retinol Night Serum 0.2%
- The Ordinary Retinol in Squalan 0.2-1%
- Frank Body Rewind Retinol Serum 1%
レチノール濃度表記なし
- Neutrogena Rapid Wrinkle Regenerating Cream
- Olay Regenerist Retinol 24
- La Roche Posay Redermic R
Retinaldehyde配合
- Avene Physiolift Night Balm
- Avene Physiolift Eye Cream
Sources
“Skin Active Matrix Support Day Cream with SPF.” NEOSTRATA® Australia. https://www.neostrata.com.au/products/collections/skin-active/skin-active-matrix-support-day-cream#ingredients.
“Laser X3 Retinol Serum: L’OREAL Paris® Australia & NZ.” L’Oréal Paris. https://www.lorealparis.com.au/revitalift/laser-x3/retinol-serum.
“The Ordinary Retinol 0.2% in Squalaneretinol 0.2% in Squalane.” The Ordinary | Retinol 0.2% in Squalane. https://deciem.com/en-nz/theordinary/mas-rdn-retinol-02pct-in-squalane.html.
“Frank Body Rewind Retinol Serum: Mecca.” MECCA NZ.
https://www.meccabeauty.co.nz/frank-body/rewind-retinol-serum/I-049321.html#q=retinol&srule=price-ascending&start=1&sz=12.
“Anti-Wrinkle Regenerating Face Cream with Retinol: Neutrogena®.” Anti-Wrinkle Regenerating Face Cream with Retinol | NEUTROGENA®. https://www.neutrogena.com/products/skincare/rapid-wrinkle-repair-regenerating-anti-wrinkle-retinol-cream-hyaluronic-acid/6811098.html.
“What Is Retinol & How Does It Work?: The Bar.” What Is Retinol & How Does It Work? | The Bar. https://www.neutrogena.com/the-bar/what-is-retinol-anti-wrinkle-cream.html.
Maril, Madge. “Olay’s New Retinol Collection Makes the Luxe Ingredient *Way* More Affordable.” The Zoe Report. The Zoe Report, September 12, 2019. https://www.thezoereport.com/p/olays-new-regenerist-retinol24-night-collection-makes-the-luxe-ingredient-way-more-affordable-18748758.
“Redermic r: Pure Retinol Cream: La Roche.” La Roche Posay.
https://www.laroche-posay.us/our-products/anti-aging/anti-aging-moisturizer/redermic-r-retinol-cream-3337872413063.html.
Tomori, Arata. 首のシワの原因と効果の期待できるネッククリームについてお話します。. YouTube, 2021. https://youtu.be/hcGjP4-wJXw?t=529.
“Physiolift Night Smoothing Balm .” Eau Thermal Avene. Avene USA.
https://www.aveneusa.com/physiolift-night-smoothing-night-balm.
“Physiolift Eyes – Aveneusa.com.” Eau Thermal Avene.
https://www.aveneusa.com/physiolift-eyes.
Bunting, Sum. Retinoids? Retinol? A Derm’s Guide to Retinoid Mastery! | Dr Sum Bunting. YouTube, 2019. https://www.youtube.com/watch?v=Upxgq7AYhfE.
Dray, Andrea. The Ordinary Retinols: Are They Worth It?| DR DRAY. YouTube, 2020. https://youtu.be/zTYeyhvHGz4.
Lim, Davin. Best Valu RETINOL | Dermatologist Reviews. YouTube, 2019. https://www.youtube.com/watch?v=HirfxyzonI0.
“How to Pick the Best Retinol Cream for You, According to a Dermatologist • Modern Dermatology Seattle Washington.” Modern Dermatology Seattle Washington.
https://mdinseattle.com/how-to-pick-the-best-retinol-cream-for-you-according-to-a-dermatologist/.